2021/08/19 22:43

お盆の終わりが夏休みの終わりというのが津軽の夏です。最初のブログ投稿から3週間も空いてしまいましたが、ねぷたに関する内容が盛り沢山な毎日でした。

8月1日にオンライン青森夏祭りに出展しました。中継会場の電波が弱くなるなどのトラブルもありましたが、ねぷた組立、金魚ねぷた抽選、ミニチュアねぷたの世界紹介をさせていただきました。ご購入され参加いただきましたことに感謝申し上げます。

8月3日に光田寺保育園にて津軽組立ねぷたを親子で作り、完成したねぷた9台でミニ合同運行が行われました。運行は子ども用鉄道模型を使用しました。レールを周回するねぷたを見る子どもたちはとても楽しそうでした。周回中に2台のドローンも飛びました。一台には小さな「世界一のねぷた」、もう一台には太鼓(台車に載せた状態)を載せました。小さいならではの楽しみ方ができたと思います。

伝承工芸館にて「黒石ねぷた師会」による「世界一のねぷた製作映像公開・人形ねぷた製作実演・ねぷた絵が描ける体験会開催」というねぷたに関するイベントが開催されています。30年前に作成された「世界一の人形ねぷた」に関する資料が公開されることは大変貴重な機会でした。そこでねぷた絵に関することをブログに書こうと思い、いろいろ勉強することができました。自分のねぷた観の輪郭ができた夏となりました。

黒石ねぷた祭りに出陣するねぷたの多くは三国志を題材にしているような気がします。
これはねぷた絵の見本が「葛飾北斎の弟子の葛飾戴斗が挿絵を担当した絵本通俗三国志にある」と言われていることと関係があるようです。
「ねぷた絵は葛飾北斎の流れにある」という言葉の根拠としては、「葛飾北斎の特徴を最も色濃く受け継いだのが葛飾戴斗である。すなわち葛飾戴斗の挿絵は葛飾北斎の流れである。ゆえにねぷた絵は葛飾北斎の流れである」ということかと思います。
絵本通俗三国志の歴史としては、1689年に通俗三国志が書かれました。1836年に挿絵をつけて絵本通俗三国志として刊行されました。そして1982年に単行本として発刊されました。
葛飾北斎の特徴である「北斎ブルー」を受け継いでいるかのように、装丁は背景色が黄色、人物は青という2色で描かれています。
青森県内各地で行われているねぷたを見てみると、地域によってねぷた絵に特徴があるように思いました。
「弘前は赤っぽい。黒石は緑や青が鮮やかに感じる」のは「北斎ブルーにも関係があるのではないか」と考え、ねぷた絵師の方に尋ねてみました。「正解はないということが現状」と思えました。
次に、「ねぷた絵の歴史を考えると、ねぷた絵師個々の個性と結びつくのではないか」という思いが強くなりました。西洋美術史を画家の個性と歴史的背景から読み解くということに近いのではないでしょうか。
「ねぷたは動くもの、ねぷたを見たくてねぷたが来るのを待つ。目の前を通りすぎると追いかけていきたくなるもの。」ということに関しては絵師の方と自分の認識が同じでした。

ねぷたに関する研究をしている人は沢山いますが、自分なりのねぷた観を養うためにも独自に研究していきます。

(2021年8月19日記載、後日加筆修正するかもしれません)